台風15号被害への取り組み・報告集会(11月9日)

11月9日、鴨川市里山オフィスにて、台風15号被害への取り組み・報告集会を開催しました

冒頭、進行を務めた千葉南部災害支援センターの小出一博さん(所属・ADORA Japan)から、「9月9日の台風15
号の発災以降、台風の被害に対し様々な支援者が取り組みを行ってきた。これからの取り組みとして地域全体の活動を繋ぎ合わせて、災害がもたらす影響に取り組むための関係性を築いていきたいと考えている。今日の報告会ではこれまでの経験を共有してもらい、これからの取り組みを考えていくきっかけにしたい」と趣旨説明があり、続いて千葉南部災害支援センター・センター長の加納基成(所属・ディープデモクラシー・センター)から「発災以降、県外からいろいろな支援者が集まり、地元の人も関わってくれた。現在は災害支援のフェーズが移り変わっていることを実感する。これまで多様な支援者が同じ思いを持ち取り組んだ。千葉南部災害支援センターのスタートに合わせて、となりの地域では、誰がどのように支援していたのか知る機会をと思い、場をつくった。今後、2回目、3回目と報告会は続いていくかもしれない。千葉南部災害支援センターは「オール千葉」のイメージ。みんなが活動する場所にしていきたい」と挨拶した。

 

【活動報告】
ADRA JAPAN(鋸南町災害ボランティアセンター) 小出 一博さん
ADRA JAPANは東京に本部を置くは国際NGO。世界中に支部がある。
日本には数千のNGOがある。政府とは企業ではない社会的な取り組みを行う人たち。
東日本大震災以降さまざまなNGOが生まれた。
以降、自然災害発災時には様々な団体が外部から支援団体として活動を行っている。
外部支援団体のひとつとしてADARA JAPAの活動を報告する。
<外部支援団体の活動とは?>
・炊き出し
・緊急物資(食料など)を集めて届ける
・避難所運営サポート
・通常避難所は市町が運営。人員不足、自主避難所で外部の支援団体が運営を担うことがある。
・特殊技術を要する課題
・倒木、土砂崩れを重機で処理 など
・千葉ではブルーシート張りの活動で複数の団体が外部から入って対応に当たっている
<地元団体>
社協、市民団体、お寺などいろいろなアクターが活動

<ADRA JAPANの千葉での活動>
鴨川で物資支援を行った。協定を結んでいる企業の協力のもと現地ニーズにあった物資(水、体を洗うタオルなど)を持っていった。
鋸南町災害ボランティアセンター運営の手伝いを始めた。
ピースウィンズ・ジャパンにもVC運営のサポートに加わってもらった。
さまざまな技術系団体も支援に入った。
技術系ボランティアの団体が集まり、
災害NGO結 前原さん、オープンジャパン肥田さんが、県内のリソースを発掘し、どのようなネットワークが作れるか/この地域に役立てるかを考え、提案した。
その提案をもとに鋸南町での支援体制を作りあげていった。
現在、千葉南部災害支援センターが立ち上がった。

<千葉南部災害支援センターの活動イメージ>
住民からの生活の困りごとが社協に寄せられる
災害にまつわる困りごとが千葉南部災害支援センターにあつまる
さまざまな技術をもつ団体が協力をしながら課題の解決に取り組んでいく

当初は外部の支援を効果的に繋ぐことを考えていた
現在は、地元の方のつながりを促進することが重要と考えている。
地元の方が主体となるネットワークの構築を目指している
外部の人間が関わることでこれまでなかった人間関係ができる。地元に根付いていって
地元中心の災害に強い地域ネットワークができるのでは

 

鴨川市災害ボランティアセンター 竹井 徹さん
ブルーシート展張活動を中心にこれまでの活動について報告する。
9/9早朝に台風が上陸。通常の勤務職員は安否確認の上、出勤した。
停電が広い範囲で発生、固定電話が不通。携帯電話も通じないエリアが多く発生。
鴨川市社協はふれあいセンターの中に事務所がある。発電機を稼動し光回線を復旧、午後には機能を回復した。
デイサービス、福祉作業所の利用者の安否確認を行った。電話が不通のためなかなか状況がつかめなかった。
9/11 停電の復旧の見通しが長引いたことを受け、災害ボランティアセンター設置に向け体制作りを開始した。
県社協に応援を要請した。
9/12鴨川市との協定に基づき災害ボランティアセンターを設置。夕方にHPでリリース。
12日にニーズ確認を開始。市内の地区社協会長、民生委員に確認したが電話が通じなかった。
独居高齢者の安否をヘルパーを通じて確認することを決めた。
市内のケアマネージャーへのヒアリングを行うことも決定。
レスキューアシスト(RA)が訪問。現地の状況確認を行った。
当初は、面識もなくブルーシート張りに関しても専門外なため、具体的な話はできなかった。
13日以降、助言をもらいながら活動をすることに。
13日 市へ殺到したブルーシート張りの依頼社協へ流れてきた。RA、社協職員合同で現地調査を行った。
市街地は広範囲に被災していて、どこを中心に回るかの見通しを立てるのが難しかった。
連休以降雨の予報だったため、15日までに集中して対応を行った。
初日は201名のボランティアが集まった。
市民向けのブルーシートの張り講習もしてもらった。

15日の午後から雨の予報だったため、屋内をブルーシートで保護するための講習をRA中島さんにしてもらったうえで活動を行った。

RA、オープンジャパンのプロボノ、社協の一般ボランティアが協力しながら対応に当たっていた。
9/15-26 並行して行政(自衛隊)による救援も行われていた。RAより自衛隊に対し張り方講習を実施
茨城県建設業協会安房郡市消防本部にも講習を実施。
公的支援は要支援者を対応に当たっていた。
撤収後は関係者を通じ、ひのきしん隊に手伝ってもらいそれ以外の世帯にも対応。
毎日60名程度がブルーシート張りをおこなった。

10月はほとんど雨、
19号対応 3日間ボランティアセンターの業務停止。
休み明け張り直しの要望が多くあがった
10/15-23自衛隊による張り直し。もともと張ってい。なかった世帯も要支援者であれば対応。
10/25 台風21号大雨 要望はあまりあがってこなかった

現在は被災者生活サポートセンターとして個別のニーズに対応している

 

NPO法人おせっ会 八代 健正さん
本業は促進・地域活性化に取り組む団体。
館山市富崎地区で活動を行っている。
実家が富崎地区の布良にあり、片づけをしていた
富崎地区がメディアに取り上げられた影響により、多くの人が駆けつけたが、ボランティアセンターの仕組みがなく、それぞれが右往左往してしまった。
ばらばらに作業が始まった。
自分の家を友達に手伝ってもらいながら片づけをしていたら、近隣の住民から自分の家もやってほしいという要望が寄せられるように。
市議会議員にボランティアをまとめ組織立った活動を行う仕組みを作るよう進言した。
色々ないきさつがあり、おせっ会が担うようになった。
最初は何をしたらいいか、誰に相談したらいいか分からなかった。
地域の区長さんに相談し、各区の区長が取りまとめたニーズをボランティアに割り振る仕組みが出来上がった。
これまでの主な作業は瓦礫をまとめて一時的な置き場に集積する作業。その後、トラックで仮置き場へ移動するように。
ブルーシートを屋根の上に張る作業を開始。張り方ノウハウもわからず雨漏りを止めるために手探りで実施。
富崎地区は430世帯、700名が暮らす。そのうち65%が高齢者の限界集落。
高齢者宅の家の多くが独居。自分たちでは対応ができない方が多くいる。

<現在の問題>
ニーズの取りこぼしがかなりある。瓦礫の撤去はほぼ終わっている。ブルーシートはようやく張り方を覚えて、張り直しを始めたところ。(RA中島さんによる講習会を数週間前に受けた)
独居の方が親族・友人宅に非難していて、在住者の状況がわからない。
素人がブルーシートを張ったため、雨漏りがとまっていない住むことが難しい家がかなり増えている。
おせっ会の目的は本来、人口の減少を食い止めること。目指す目的が難しい状況に陥っている。

<今後の展望>
住み続けたい人のために富崎地区を守りたい。
ボランティアを募集し全戸調査を実施する。健康状態を含めて社協、地域包括支援センターを指導をあおって実施する。
瓦礫撤去以外のニーズ(倒木、屋内のカビ)に対応していく。
3月いっぱいまで活動する考え。
その後、地域活性化にもう一度取り組もうと考えている。

15年くらい前に消防団として全戸調査を実施した。当時は700世帯あったが、現在430世帯まで減少した。かなり厳しい現状の地域ではある。
空き家バンクの再活性化を計画している。空き家を借り上げ、補修し、貸出、家賃の回収、次の家の改修を行っていく。新しい移住者を生み出していく。

地元のNPO、住民等から多くの支援をもらい活動していることに感謝している。
富崎地区の地域を次の世帯に渡していくことを目標に、現在の状況を乗り越えていきたい。

 

きさらづみらいラボ(木更津市市民活動支援センター) 菊田 美智代さん
<木更津市市民活動支援センターとは>
市民活動をしたい人に登録をしてもらい情報提供を行う。
市民活動を行う団体同士のネットワーキング、人材育成をサポートしている。

9/10 施設の状況確認。停電はしていなかった
通常営業をした。エアコン稼動、スマホ充電など被災者向けの対応を行った。
子ども食堂を行う団体から食事の提供、薬剤師で構成されている団体からのゼリーの提供があった。

9/17 登録団体への電話かけ、訪問による被害状況の確認を行った。
社協の災害VCのチラシを市民活動団体に配布を依頼した。
9/19 市民活動団体による復旧支援プロジェクトを募集し活動を開始した。
登録している市民活動団体の得意分野を生かした活動をコーディネート。
チェーンソーによる倒木伐採、高齢者介護福祉支援などの活動が行われている。
木更津市社協と連携し、災害ボランティアセンターに寄せられたニーズで市民活動団体に担える団体をマッチング。

<今後の課題(災害時の側面)>
災害時におけるネットワークの整備
登録団体が何をできるのかを把握
支援者、市民活動団体のコーディネート
災害支援における人材育成
→報告会を実施予定。災害に必要なスキル知識(住宅・生活に関する相談への対応)を学ぶ機会の提供など。

 

■高徳院(南房総市千倉町川口) 星 孝芳さん
南房総市千倉町川口地区の一時避難所に指定されている高徳院は、お寺の役割というよりも区民のコミュニティとして認知され、宗教とは無関係に「お祭りの場所」や「避難所」として周知されている。
平時から避難訓練をしていて発災後にも9月15日にも予定されていた避難訓練を緊急時の連絡事項の伝達手段として実施した。
日頃の防災教育として子ども会の行事で赤十字の方による地震と津波を題材とした紙芝居、ハイゼックスによる炊飯、レトルト食品体験など地元川口区青年会と協力のもと行っている。 令和の祝いや夏の祭礼の後に子供中心に小さな山車を引き千倉町内を歩き、祭りを行っている。
その際は区民を上げて各所でお囃子をして災害支援の募金(東日本大震災、西日本豪雨など)活動を合わせて実施。防災意識の向上に取り組んでいた。

台風15号の発災当時は東京の深川にいた。
7時間かけて板氷を買いながら戻り、発電機を回しエアコンと冷蔵庫を回復させ、布団の準備を行い避難所を開設した。
翌朝にはリアカーに冷やした水分を乗せ要支援者宅等の各家を回り安否確認を実施し、区民の多くが被災した為に人的ネットワークが崩壊したことを見て伝達係等人的ネットワークの再構築を行い伝達が各家に行きわたるように努め、ガソリンの補給係と情報収集係を作った。
被災2日目には避難所高徳院本堂内に被災対策室が設けられSNSを通じて支援物資を集めて配給しながら日々安否確認を続けた。
5台の発電機の貸し出しを行い各家庭に半日・数時間という単位で入浴と洗濯を行ってもらうよう努めた。
3日分の食糧・飲料は備蓄していたが、ライフラインの回復が遅れネットワークの障害もあり物資が不足した。
携帯ネットワークが使える場所を見つけて情報収集を行い支援物資要求を発信。
同時に瓦礫収集が必要となることを予測して被災3日目からSNSでボランティアを募集した。
新しく情報が更新されるたびに軽トラに拡声器を設置し支援物資を配りながら回覧板を配布し区民全員で情報共有できるよう努め、社協に職員の派遣を求めた。
市が指定した集積場に瓦礫や被災ごみを運搬することが困難なために区長と協力して避難所脇のコスモス畑をつぶしてそこに一時集積場を作り軽トラと人海術で瓦礫の収集を行い、「川口区被災ごみ一掃作戦」を開始。
搬出時には大型トラックとユンボユニック等で3日かけて搬出した。
述べ150人のボランティアが瓦礫収集・分別・搬出・倒木撤去に参加した。
足りない費用は高徳院の持ち出しで行われ、活動は全国の有志と地元の有志によってなりたっていた。
毎日深夜まで支援と会議が続いた。
通電後はSNSを駆使して情報収集を行い、偵察隊と支援派遣隊を毎朝マッチングさせ結成してお寺負担で地域外支援を行った。
全国から集まった支援物資とボランティアがそれを手伝ってくれた。
ブルーシートを集め、倉庫に保管。台風19号が来る前に住民への配布を行いブルーシート張りも実施。要支援者の家庭を優先に対応していった。
高齢化地域の為70代の住民が安全帯も付けず、高所作業を行う様子を今も見かける。
現在もボランティアを呼びかけブルーシート展張を行っている。
地域のコミュニティにお寺が寄与するのではなく、地域コミュニティとしての役割を大昔から当たり前にお寺が担い、避難所として周知されその役割を果たしてきたので、常に地域で行われる文化的伝統行事の多くの祭礼ごとと同じように移住者も宗教の違いも一切関係なく区長を中心に川口区民全体を対象として活動している。

 

ちば市民活動・市民事業サポートクラブ(NPOクラブ) 鍋嶋 洋子さん
ちば市民活動・市民市場サポートクラブとは地域で活動する団体を支援する中間支援組織。
東日本大震災以降は東北件3県の避難者支援をしていた。
今回はスマートサプライを活用した物資提供について報告する。
スマートサプライの仕組みについては、岡山NPOセンターからノウハウを聞いた。
スマートサプライとは:必要なものを必要な人に必要な分だけ提供できる仕組み
災害VC、活動中のNPOの支援の現場に直送する仕組みを運用している。
9/12千葉県災害VCが立ち上がった 県社協・県災害VCにスマートサプライの使用を提案。連休から運用を開始した。
県社協、災害VCにどんなものが必要か聞き取りを依頼した。
現在は千葉連続災害支援のタイトルで実施。これまでに3178点を提供した。
提供日スマートサプライの導入を提案。

▼良い点
全国の人に、災害が起きていること、現地での具体的に必要なものを伝え、応援につなぐことができた。
全国の人たちから直接支援をえることができた。

▼良くなかった点。
必要なものが届くまで、タイムラグが発生する。
来たものが欠品などの事情により、必要としているものと違うものが届くケースがあった。

▼課題
スマートサプライだけでは地域の復旧活動を支えることができない。
県、市町村で物資をきちんと確保しておく必要があるということを伝えていくことが必要と感じた。
災害準備金からの支援金の制度の知識・情報が足りず、スマートサプライに頼りすぎてしまった。災害ボランティアセンターの活動に少しブレーキをかけてしまったのでは。
行政区分を超えて連携ができたらよかった。市町によって物資の過不足が発生した。
災害協定の有無による格差が発生した。
今後も災害発生時には社協と連携して支援をしていきたいと思う。

▼今後の役割
千葉南部の被災エリアへの関心を向けてもらう。
外から来た人が何をできるのかを伝えていく。
オール千葉として復旧・復興に取り組んでいく。

 

BIGUP大阪 松本 祐樹さん
技術系団体を代表して報告する。
レスキューアシスト(RA) 鴨川でブルーシートの張り方、安全管理講習を実施している。
RAと協働で開発して講習を実施している。

南房総市社協と協力して南房総市全域でブルーシート張りの活動を実施している。
団体の拠点が大阪にあり、大阪の支援も実施中 平行して千葉で活動している。
2週間千葉、1週間大阪というサイクルで対応をしている。
千葉を離れている機関に屋根の対応が進まない。
いつかは千葉を離れることになる。
今後の長期に渡る災害対応を考え、地元の人の糧になるように、千葉南部災害支援センター主催の講習会の講師を務める。
明日(10日)高徳院で講習を行う。
11/24には千葉南部災害支援センター主催の講習を行う。

大阪の災害支援団体4団体が連携して南房総市で活動している。
講師はBIG UPのほか、BORDERLESS FIREの武藤さんが勤める。
武藤さんはRA、BIG UPに安全器具、安全装備の使い方をレクチャーした講師。現在は合同で講習を行っている。

BIG UPは屋根のブルーシート張りのプロではない。熊本地震以降2000件張った経験を共有している。
なるべく早く屋根から下りることが安全を保つことが安全につながる。
無駄のない活動で早く屋根から下りて活動できることを目指して、講習を実施している

安房地域全体として、ボランティア応募が停止し、県のHPから表示も消えた。
ボランティアが集まりづらくなっている 一方で現状ニーズはまだまだある。

年内に完了を目指して活動を実施している。
その後の課題解決はオール千葉で取り組んでいっていただきたい。

 

富津市災害ボランティアセンター 三枝 裕文さん
天羽地区を中心にローラーでニーズ調査を実施した。
区長・民生委員も被災していて困難だった。
災害VCは当初、ニーズ受付班、ボランティア受付班、マッチング班、資材版で活動をしていたが、ニーズの聞き取りを行う班を設置。
千葉県社会福祉士会の協力で個別訪問を開始した。
12日間、164名の社会福祉士が協力、39自治会、2698世帯を訪問。
2人体制で活動を実施(不審者情報、山間部で通信が不通だったため)」
健康状態を聞き、飲食に困っているようであれば支援物資(食料、飲料水)を提供した。
市役所では支援物資を配布していたが、取りにいけない人もいた。
健康状態が悪ければ地域包括支援センター、障がい者の体調不良は市役所の福祉窓口、通信障害NTTへの連絡しながら活動した。

関係機関につないで定期的に訪問し現在も支援を続けている。
停電後訪問があったことで変喜んでくれた住民もいた。
待っているだけでなく、外に出て健康状態の情報、ニーズ集めを行ったことは効果的だった。
明後日(11日)から富津市ふれあいセンターに名称を変えて活動していく。
今現在のニーズはおおよそ解決した。
訪問していくと災害VCがなくなると困ってしまう方もいる。
これからも包括支援センター、民生委員、区長と協力をしながら相談できる場・解決を行っていく。

 

南房総市大房岬自然の家(NPO法人 千葉自然学校) 白井 健さん
千葉自然学校は千葉に本部を持つNPO法人。君津の亀山少年自然の家と大房岬自然の家・自然公園の3事業を行う。
内房の岬に位置している。43haの敷地内に散策路がはりめぐらされ、自然の家、キャンプ場、民間のホテルなどがある。
台風15号により敷地内に全面的に倒木の被害が発生した。
電柱が倒れたため、通電までに時間がかかった。
当初は職員のみで対応をしていたが、ネットが通じるようになってからボランティアが集まるようになった。
70名程度のボランティアをコーディネートしていた。
チェーンソーを使える人から子どもまでさまざまな人員が集まり、作業割り振りを行っていた。
復旧作業と同時に、10月からは通常業務(小学生の宿泊学習)も行うことになった。
日中は作業をした後に、夜間事務作業を行っていた。事務作業を代行してくれる補完制度があったらいいと感じた。
ボランティアを募ったほか、スマートサプライ・アマゾンのほしいものリストの活用も行った。
アウトドアの仲間が全国にいて支援が広がっていったのが心強かった。高所作業者、薪割り機などを貸してもらうこともあった。

▼現状
まだ未着手のエリアがある。特殊伐採、高所伐採の技術が必要な場所もありボランティアでは対応できない。
子供たちが学習する場所として早くオープンさせていく必要がる

・多田良区支援
自然学校が防災備蓄を準備していた。区長さんとやりとりがあった。
ボランティアがたくさん集まったとときは地域での活動をしてもらった
物資支援・瓦礫の撤去などを行った

・枇杷農家支援
倒木の被害が大きいエリア。山地に張り付いていて車両も入りづらい。
農家を営んでいるのは高齢、兼業の方が多い。自宅も被害を受けている。
個人のつながりから広げていって支援を行っている。
ボランティアセンターの支援の対象外になっていて、支援の手が入っていなかった。

支援活動をイベント化してボランティアを募集した。
地域の方向けにチェーンソー講習を実施。2日で定員に足した。
丸太を活用し、薪ストーブユーザー向けにイベントを実施。

社協と平時からの連携ができていなかった。
平時からいろいろな人と見える関係づくりをしていく必要がある。
被災して生まれたものをプラスに変える発想の転換が必要。
(倒木をどう価値ある資源として活用するか、自然のエネルギーを子どもたちへ教えるための教材として活かしていく、一回壊れた公園をゼロから作り上げていくおもしろさ)
蓄積された台風による教訓を強固なコミュニティ作りに繋げていきたい。
自分たちが経験したことも伝えていていきたい。

▼質問
チェーンソーを使用する活動を行うに当たり、いい保険があれば紹介してほしい。

 

忙しい現場を抱える9団体からの発表に、時間はあっという間に過ぎ、終了時間寸前に。
会場からの、今後の災害支援の課題等の共有の提案の呼びかけに、

●鋸南町在住の個人の方
知り合いでボランティアを申し出てくれた方がいたが、受け入れ施設が見つからず困った。
どうやってボランティアの滞在場所を確保するか?

ピースボート災害支援センター 関根 正孝さん
岩井にある民宿を貸していただいている。普段合宿で使われる宿泊施設。
これまで、活動では宗教施設(寺、神社の施設)、公民館などを使用させてもらったこともある。

B3
地元の団体を立ち上げた。鋸南町がつぶれないよう活動を行っていく。
11/22に一緒にボランティアをやる人を募集する説明会を行う。

 

 

●鴨川市在住の永井 弘朗さん
鴨川市の中で動く団体がいない。
災害ボランティアセンターが閉所後、ニーズの取りこぼしがあるのではと懸念がある。
一緒に動ける人を探している。

房総復興ブースター
館山市在住者、南房総市在住者と団体を設立。
全国から屋根の修復をする職人さんを呼ぶプロジェクトをおこなう。
鋸南町内で職人さんが泊まれる住居を探している。心当たりがあれば教えてほしい。

と、声があがった。

最後に、千葉南部災害支援センターの加納の「9団体の報告を聞いてあらためて、みんなすごいなぁ〜と感心させられた。支援の現場にいると、やり方や考え方の違いに直面することがあるが、今後の千葉での支援に関しては、ないものを自主的に行う・提案する関係性が作れればと考えている。千葉で生活をするなかで、毎日いいところだと実感している。そのいいところにどう住み続けるかを考えていきたい。災害支援を入り口に、どうしていくかを考えていきたい。
千葉南部災害支援センターの目的はあえてざっくりしたものになっている。だからチャンスだと考えてほしい。今の運営団体、協力団体は途中で抜けるところもある。今後できることがあれば、積極的に加わってほしい。自分たちが何を通して地域を活性化していくか宿題として考えてほしい。災害に関係なく地域には多くの課題がある。地元を愛する皆さんが主役になって千葉南部災害支援センターを育てていってほしい」というコメントで終了した。(が、終了後も会場では、情報交換が続いた・・・)

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